介護者との上手なコミュニケーションの取り方
介護士の離職理由のおおむね25%が「人間関係」です。
介護士の職場での人間関係は難しいと良く言われます。介護福祉士・社会福祉士の国家試験を主催する社会福祉振興・試験センターの調査では、毎年おおむね25%の介護福祉士が、職場の人間関係に悩んで離職したとの結果が出ています。
本来協力して業務を行うのが望ましいはずの介護士同士、どうにか良いコミュニケーションを図って気持ちよく働けるようにならないでしょうか?そんな悩みをお持ちの方が今日から使えるテクニックを2つ、ご紹介します。
「聴く」「話す」二つのテクニックを身につけましょう
一つめは「聴く」テクニックからです。良く介護士の方が悩むのが、他の介護士の方の愚痴を聴かされるのが辛いということです。
しかし、愚痴は聴き方一つで聴くのが辛く感じにくくなります。
例えば誰かがあなたに愚痴を言ってきたとすると、あなたは相手に相槌を打たなければなりませんが、その時
「(あなたは)そうなんですね。」
と言ってみましょう。(あなたは)の部分は決して口に出さないでください。
この聴き方を繰り返しているうちに、愚痴を聴かされてもあまり辛くなくなります。それどころか愚痴を聴いてもらってありがとうと感謝されるようになります。
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。それは心の中で(あなたは)とつぶやくことによって自分と相手を切り離しているからです。
わかりやすく説明すると、「あなたの気持ちはそうなんですね。」と相槌を打っている=愚痴はあくまであなたの気持ちであり、私の気持ちとは必ずしも一致しなくてよいと相槌を繰り返していることになるからです。
たいてい人間関係は意見の一致をみないことでストレスが発生しますが、この相槌では意見の一致をみることと関係なく相手に共感して話を聴くことができるので、相手に感謝され、自分もストレスがたまらないのです。臨床心理士(カウンセラー)の方たちの使うテクニックですが、慣れれば簡単です。
二つめは「話す」テクニックです。
よく職場では話題に困るものですが、自分が話さなければならないタイミングでは積極的に自分の苦手とする人のいい所を本人ではなく、周囲の人に吹聴しましょう。
これには二つの効果があります。心理学では直接褒められるより「他の人が褒めていた」噂を聴かされる方が本人の心に響くとされているので、あなたの苦手な人はあなたの悪口を周囲に言いにくくなります。
またあなたが苦手な人に辛くあたられても相手のことを褒めて言い続ければ、周囲の人は自然とあなたの苦手な人の方を厳しい目で見るようになるのです。
これはとても効果的で、敵と思っていた人でも自然に味方に変えてしまうテクニックです。ぜひこの二つのテクニックで、職場の人間関係をあなたにとって気持ちの良いものに変えていってください。