介護施設の種類と違いとは?
介護施設にはさまざまな種類があります。
ご利用者様側からするとその方が受けたい介護サービスに合わせた内容の施設選びが大切ということになりますが、介護士側からすると施設によってどのような業務内容の違いがあるのでしょうか。
介護士が働く場としての施設にはどのようなものがあるか、またそれぞれの業務の特長も含めてご紹介します。
施設はご利用者様の介護度によって業務内容が変わります。
施設は大きく分けると介護度が要介護の方向けと自立の方向けの二種類に分かれます。自立の方向けの施設では介護サービスが受けられないので介護士が常駐することはありません。
介護士が常駐する要介護の方向けの施設では細かい介護度やニーズに応じて介護士の業務内容が変わります。
①特別養護老人ホーム(特養)
要介護3~要介護5の方を受け入れるいわゆる「終の棲家」です。リハビリ等はADLの現状維持のためにあります。ご利用者様が施設の中でできるだけQOLを高め、ADLを落とさないよう配慮しながら楽しく生活をしていただくのが目的となります。
業務はご利用者様の介護度が高いため、技術的に高度な身体介護が中心です。二人介助やメンタルに病を抱えた方を不穏にさせないようなコミュニケーション、積極的な施設であれば施設全体でオムツ使用率を20%下げるなどのプロジェクトに取り組むこともできます。
クラブ活動や季節のイベント、レクリエーションにも力を注ぐことができます。
②介護老人保健施設(老健)
要介護1~要介護5までの方を受け入れる「リハビリをして在宅で生活できるようにADLを回復する」ことが目的の施設です。
そのためご利用者様の在所期間が平均100日と短いのが特徴です。とにかくリハビリに積極的で作業療法士の方、理学療法士の方にアドバイスを受けながらご利用者様は一生懸命取り組むことになります。業務はご利用者様の回復を妨げない適切な介助、リハビリに積極的になれないご利用者様の心によりそうケアなどで、それぞれの心身の状態に合わせた回復への取り組みを学ぶことができます。
③グループホーム
要介護2~要介護5までの「医師に認知症と診断された方」が入居できる小規模な施設です。認知症の方に心穏やかに生活していただくのを目的とします。業務は認知症の方が安心できる家族的な環境を整えることや、家事などを一緒に行うことで認知症の進行を抑えるためのケアとは何かを学ぶことができます。
主なものだけを取り上げましたが、他にも介護サービスを担う施設はさまざまな種類があります。自分の学びたいことややりがいに合った職場を見つけるようにしましょう。